激減する天然鰻

最近の天然うなぎの漁獲量

激減している天然うなぎ

【1】は「天然うなぎ」の漁獲量になりますが、これは正規に流通しているもので、宅急便の発達以降は実際には問屋や市場を経由せずに、直接漁師さんなどからうなぎ屋、料理屋に送られているものも多々あります。
しかし、天然うなぎは、養殖うなぎと違い、獲れたものがすべてが調理できるものではなく、平均でうなぎ屋に入荷する6〜7割が使用できれば上出来です。
その他、消費の為の流通ではなく「放流」のために、漁協などが買い上げる、小さめの天然うなぎ
漁獲量に含まれます。
したがって
、数字的にはあまり当てにならないと思いますが、量の増減の割合は正確に現されています。

昭和45年以降から
天然うなぎ減少が大きく騒がれていましたが、平成18年度からは、末期的な状態にまで落ち込んでいます。


昔から天然うなぎ漁では、トップクラスの漁獲量を誇る岡山県では、数年前からシラスウナギ漁が全面禁止になり、多くのシラスウナギの遡上を確認していますが、天然うなぎの漁獲量は減少し続けています。
つまり、岡山に限らず日本中で天然うなぎをとりまく自然環境は幼魚から育ちにくい河川になってしまったと言う事です。






 
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年度 天然うなぎ漁獲量
推定(トン)国産
【1】
シラスうなぎ漁獲量
推定(トン)国産 
【2】
国内総消費量
推定(トン)
【3】
総消費量における
天然うなぎの割合
【1】/【3】
昭和45年(1970) 3000トン
昭和55年(1980) 2000トン
平成08年 901 31 116775 0.77%
平成09年 860 22 130792 0.67%
平成10年 860 20 122534 0.7%
平成11年 817 36 130185 0.63%
平成12年 765 23 158094 0.48%
平成13年 677 23 156634 0.43%
平成14年 610 19 142224 0.43%
平成15年 589 26 116846 0.5%
平成16年 614 26 130254 0.47%
平成17年 483 19 97792 0.49%
平成18年 303 32 85663 0.35%
平成19年 300 24 106897 0.28%
うな繁
うな繁

いろんな大きさの天然うなぎ

天然うなぎ

第一に「脂ののり」で次いで「香り」になり、脂ののりが同じならば、その香りや癖が個人の好みで分かれる事になります。

天然うなぎ  くだりうなぎ

天然うなぎ

天然うなぎの産地

うなぎ屋に流通している天然うなぎは北海道、沖縄を除く、日本全国と韓国、中国で獲れますが、ここで紹介しているのは当店に入荷している天然うなぎと過去使用した天然うなぎの主だった産地です

利根川(とねがわ)

別名「坂東太郎」と呼ばれる日本三大河川の一つで、流域面積は日本一の河川です。
天然鰻は昔から、捕れた川の名前で呼びますが養殖鰻で「板東太郎」という、ブランド鰻もありますので間違えないように気おつけてください。
入荷時期は5月から11月初旬ですが、ほとんど東京の高級鰻料理店に出荷されます。



四万十川(しまんとがわ)仁淀川(によどがわ)

高知県を流れる二河川で「日本最後の清流」と呼ばれる四万十川と、四万十川に次いで日本第2位の水質をほこる仁淀川。
入荷時期は春から秋にかけてです。
「縄」と呼ばれる置き針で捕れた天然鰻が主流ですが箱モジやボサ、石倉もおこないます。
サイズは四万十川は細い天然うなぎが主流です。
仁淀川はいろいろです。

水温の関係で、高知の河川は他の地域より猟期が長いのも特徴の一つです。
高知の天然うなぎが一般に有名におなった理由に、瀬戸大橋の開通や宅急便の発達などで、比較的新しい現象でした。



   吉野川(よしのがわ )
「四国三郎」と呼ばれる日本三大河川のひとつです。
入荷時期は5月から10月頃までで、9月頃から捕れる下りうなぎはかなりまとまって入荷していました。
脂肪分は瀬戸内の天然うなぎよりやや少なめなのが特徴です



  木曽三川《木曽川(きそがわ 、長良川ながらがわ、揖斐川いびがわ》

濃尾平野を潤す三河川で、鵜飼やサツキマスなどで知られる河川です。

「うげ」と呼ばれる、竹を編んだ「もじり」で天然うなぎを捕りますが、同じ場所で何回も漁ができませんので三河川を転々と移りながら梅雨頃から九月頃まで漁をおこないます。
残念ですが現在は当店では、取り扱いしなくなりました。



  狩野川 (かのがわ)

伊豆を流れる一級河川ですが、上流の天然鰻だけを入荷します。
「穴釣り」と呼ばれる漁法で捕りますのでサイズもいろいろですし、捕れる数も他の漁法より極めてすくないです。入荷時期は水温の高い六月から八月ごろです。
残念ですが現在は当店では、取り扱いしなくなりました。



 浜名湖(はまなこ)都田川

御存じ浜名湖うなぎの浜名湖とその上流の都田川ですが天然物はあまり知られておりません。路地池の養殖が盛んな頃には、大水などで池から逃げ出した養殖ウナギと区別する為に秋の「下りウナギ」を使用していました。
浜名湖では「かくだて」と呼ばれる定置網漁で捕っていました。
都田川では他の河川同様の漁法です
サイズは秋の太が中心ですが初夏まではいろいろです。
残念ですが現在は当店では、取り扱いしなくなりました。


その他に、東北太平洋沿岸各地、茨城の霞ヶ浦、印旛沼、島根の宍道湖、岡山児島湾、九州の筑後川、球磨川、柳川、有明海、川内川、一ツ瀬川、大淀川など天然うなぎの産地は本州の太平洋側を中心に色々あります

最近は本当に少なくなってしまった「くだりうなぎ」は癖など殆ど無いのですが、前者の鰻通と呼ばれる方も好みます。
したがって、昔も今も、どちらの人達にとっても下りうなぎは上位にランクされているとなると、天然うなぎの味はやはり、

天然うなぎの味のランクとして[関東地方]まだ汚染の進んでいない昭和初期頃は〔沼、池より川が上物、同じ川でも急流の方が上物、本流より支流が上物〕とされ、その他に秋に捕れる「下り鰻」、河口の海の餌で育った「海鰻」「シャコうなぎ」は別格で上物とされました。
天然うなぎの味

太物の天然うな重

天然うなぎ

その他に、春のお彼岸から一ヶ月の間に印旛沼、霞ヶ浦で捕れる「出縄」と呼ばれる細い天然うなぎも珍重されました。 
それから、金沢八景、品川付近から利根川までの間で捕れるうなぎを広義の「江戸前」と呼びそれ以外を「旅の鰻」と呼んで「江戸前」を上物としてきました。 

現在では、なかなか上物と呼べる天然うなぎ自体が少なくなったのも事実ですが、天然うなぎの味を決める最大の要因が脂肪です
天然うなぎは脂肪が強くても、まったく脂っぽさは気になりませんので脂肪分が多いほど好まれています。

「味」を決めるもう一つの特徴として香りや癖があげられますが、
天然うなぎの産地が海<河口<中流<止水(沼、池など)と癖が強くなります 
しかし、天然うなぎには、移動を頻繁に行うウナギ(沖あがりなど)と、あまり移動をしないウナギ(居つき・地付きなど)の2種類にも分けることができ、{「沖あがり」より「居つき」の方が癖が強いです}
そしてこの2種類のウナギは同じ場所で捕れる地域も多々ありますので産地だけでは味はわかりません

現在では殆どが獲れても自己消費が多く、流通が無い上流や渓流のウナギは、癖が少ないウナギが多いようです 
天然うなぎ
の中でも産地によって判断するには、もっとも見極めが難しく色々な味のウナギが多いいです



一般的に、うなぎ通と呼ばれる蒲焼や白焼の好きな方は癖が強い天然うなぎを好まれる方が多いようですが、その方達にとって天然鰻の味のランクは

寒のうなぎ>沼のうなぎ>川うなぎ>河口のうなぎ>海うなぎ
となります (寒のうなぎと沼うなぎは完全な居つきのウナギです)
ただ、昔から一般的に「下りうなぎ」「沖あがり」「シャコうなぎ」は一流とされてきましたので、普通の方は癖が少ないうなぎを好むようでして、そ
うなると
沖あがり≧シャコウナギ>海うなぎ>河口のうなぎ・・・と、順番は正反対になります。

天然鰻の味

天然鰻の産地

天然うなぎ

(天然鰻は不定期に入荷しますのでお電話でご確認下さい)
     
天然うなぎに共通して言える事は、大きさにかかわらず、どんなに「脂」がのっていても小骨が気にならないで、しかも軽い味です。しかしながら産地、季節等、違いがあり、すべての天然うなぎが養殖うなぎより美味しいとは限りません。特にうなぎは悪食ですので、主食になる餌によっては、その餌の匂いがしみこみますし、また生息する水によってもおおきくちがいます。一流と呼ばれる同じ川で捕れた天然うなぎでも嫌な匂いのするうなぎが混じる事もあります。当店では産地を選んで直接、川魚漁師さんから入荷をしていましたが、全国的な河川の汚染、治水工事による堰堤や川全体のコンクリート化で天然うなぎ自体も激減し、川魚漁師さんのいる川も少なくなりました。入荷量も極めて少ない状態です。吉野川や長良川なども治水工事問題でこれから先のことは大変きがかりです。    


当店では養鰻も天然鰻もすべて、朝、活きた鰻をひらき、それを白焼きにしておきます。それから、店の予約、お弁当の予約、食事時に合わせて白焼きを蒸し、すぐ焼ける状態にしておりますが、いかだ、特上、天然など注文を受けてから蒸すものは約二十分前後お待ちください。

天然うなぎも注文を受けてから蒸し始めますが、蒸し時間も三分から四十分と極端に時間が違いますのでお時間ははっきりしませんが平均で15分ほどです。
いかだ、特上なども予約があり蒸している時は時間もかかりませんので店員におたずね下さい。


現状では、どこかの局みたいに「幻」などという言葉はおおげさに使いたくありませんが、悲しいことに美味しい天然鰻はそれに近い「さかな」になりつつあります。  

                                 店主

期間  梅雨〜秋雨ごろ
冬季はうなぎが冬眠のため、寒の天然鰻を除き漁がありません