斉藤茂吉

参項文献
「ナイルの鰻」(’93年版ベストエッセー集:文藝春秋 社)より引用

1
私達には想像もつかないさまざまな困難があったのに違いないだろうし、それを乗り越えようと努力し、たとへ数回であろうとも日本に送られてきた事は次ぎへの可能性へとつないだにちがいないと思います。
結果は失敗したのかもしれないが、このプロジェクトに関わった人達には男としてのロマンを感じさせられます。
イスラムの聖典に「鱗のない魚は食べない」と書かれているそうですが確か聖書?にも書かれているとある本で読んだ憶えがあるので(この辺は非常にあいまいですが)、やはりウナギは日本を代表する食文化なんでしょうね。
ナイル川の鰻は夏に水温の低いナイルや運河に移動して冬に下の写真の暖かい地中海に面したマンザラ湖などに集まり、それを捕獲するそうです。(年間約2百トンの漁獲だそうです)どうしても、日本の需要は夏に集中してしまうのでこの辺がネックになっていたのでしょうか・・・
水深が平均80センチというのも驚きだった。
どのような漁法で捕獲していたのかも知りたいところですが時間があればぜひ行って見たいですね(治安が良くなれば)
「ナイル産、浜名湖産、ミシシッピ―産の活鰻の食べ比べ」の中で「ナイルの鰻はサラダオイルの味」「日本の鰻は天婦羅の味」と例えているのが面白い。これは魚種の違いと言うより天然と養鰻の違いのように私は感じました。(今度からこの表現は使わせていただこう)
また、11人の試食者の投票結果がナイル産5人、浜名湖産5人、ミシシッピ―産1人というのも面白い結果だ。 やはり人それぞれという事でしょうかこの浜名湖産がどのような素性のウナギなのか大変気になります。

カイロ大学出身の鰻裂き職人
彼が7人の中で最優秀だそうです

マンザラ湖
「砂漠の国で鰻が捕れる、しかも旨いと言う。」と始まりますが、著作権は文藝春秋が持っていますので紹介はできませんし、もともとSさんは100ページに及ぶ原稿を出版社の要望で4ページにまとめてありますのでどの部分も大切でなかなか抜粋するという事はできませんが、内容的には、「ナイル鰻の極簡単な説明」「ナイル産、浜名湖産、ミシシッピ―産の活鰻の食べ比べ」「プロジェクトの失敗原因」などです。
「ナイル鰻の極簡単な説明」の中で特に興味を持ったのは、4年もかけてナイル川河口に到着したシラスウナギが0.4グラムで日本のシラスウナギが0,15〜0,2グラムというのと比べると2倍以上あるのかというのにまず驚きました
また 同じアンギラ種でも他のヨーロッパ産とは違い柔らかく脂の乗っているというのはすごくうなずけましたが。
このSさんは、10数年も前のことですが、ある在エジプト日本人と知り合う機会があり、誘われるままナイル鰻の輸入元の権利を得て、今までだれもした事のないナイルの鰻を輸出するという壮大なロマンを持っていたそうです。
そこには金のためではなく、産業の少ないエジプトに外貨をもたらす為、エジプトの為、という意識で集まった仲間の話を聞いて、ぜひ紹介させて戴きたいとお願いしてこのページへの掲載の許可をもらいました。
Sさんの100ページにもわたる元本にも大変興味が引かれますが、今回は93年 文藝春秋のベストエッセー集 「中くらいの妻」に納められている「ナイルの鰻」をほんの少しだけ紹介させていただきます。

93年 文藝春秋のベストエッセー集
「中くらいの妻」

ナイルの鰻

ピラミッドの見えるウナギ工場
2003/9 制作