うな繁
うな繁
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斉藤茂吉

そこで6枚にまとめて再度投稿したところ、文藝春秋詩に掲載して頂き、さらに翌年、ベストエッセーに選ばれる事になった。
以来、オリジナル原稿は放置されたままであるが、このまま放置するには、勿体無いと思い、再校した。
勿体無い、と申し上げた理由の第一はナイル鰻が大変美味であり、わが国に紹介したかったこと、第二にM氏という日本人の生き様に感動し、記録に残したかったからである。
M氏に欠点がなかった、と言えば嘘になる。 しかし、彼は平和慣れした日本人が失ってしまった「緊張感」「純粋な心」を依然として持ち続けている希有なる人物であった。
エジプト軍の空手顧問としてアラブ世界で死線の日々を送っていたからであろう、彼の幕末の志士のような生き様が当時の私には非常に新鮮に映った。


エジプトは旧約聖書にも度々登場する古代の超大国であり、また時代が下るとアラブーイスラエルという)関係でユダヤと不覚、関わってきた国である。
私はユダヤ民族史の不思議さに興味を抱き続けている者の一人であるが、エジプト滞在中、僅かな期間ではあったがネゲブ砂漠を挟んで、反対側の視点から、ユダヤを眺める事ができた。 そのような著者のユダヤへの興味も副題として織り込ませて頂いた。


ネット上で知り合った三島の料亭、うな繁さんにお願いして、原稿の他、写真や漁場地図なども一緒に、本文を鰻専門のホームページに掲載して頂くことになった。
これがきっかけとなって、本原稿が、将来、何かの役に立てれば幸いである。


                                           奥野 洋一
本文はベスト・エッセイ集に掲載された、「ナイルの鰻」のオリジナル原稿である。
今から考えれば、恐れ多いことと恥じ入っているのであるが、10年ほど前、私は100枚の原稿を文藝春秋社に送り、これを掲載して頂くようお願いそた。素人がいきなり、大手雑誌主版者に原稿を送るなど、常識外である。
しかし編集部の方は大変好意的で、素人さんの文章は残念ながら掲載できないが、随筆ならば掲載可能である 面白い内容であるから、ぜひ随筆にまとめなさい、とアドバイスを頂いた。
この夕べ 鯛の刺身とナイル河の鰻食はしむ 日本の船は
大正16年日本郵船「熱田丸」でエジプト沖を通過する際に 歌人斉藤茂吉の詠んだ歌である。
鰻好きの茂吉が地中海洋上で、ナイル河の鰻を食べながら、日本鰻とは一味も二味も異なるナイル鰻に舌鼓を打ったであろう事は想像に難しくない。
私も斉藤茂吉と同じように、カイロで鰻を食べた者の一人である。

ナイルのうなぎ

ナイルのうなぎ本原稿
Sさんが、草本の一部を提供して下さいました
ウナギだけではなく、大変面白い内容です。ぜひご一読下さい

参項文献
「ナイルの鰻」(’93年版ベストエッセー集:文藝春秋 社)より引用

ナイルのうなぎ

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私達には想像もつかないさまざまな困難があったのに違いないだろうし、それを乗り越えようと努力し、たとへ数回であろうとも日本に送られてきた事は次ぎへの可能性へとつないだにちがいないと思います。
結果は失敗したのかもしれないが、このプロジェクトに関わった人達には男としてのロマンを感じさせられます。


イスラムの聖典に「鱗のない魚は食べない」と書かれているそうですが確か聖書?にも書かれているとある本で読んだ憶えがあるので(この辺は非常にあいまいですが)、やはりウナギは日本を代表する食文化なんでしょうね。

ナイル川の鰻は夏に水温の低いナイルや運河に移動して冬に下の写真の暖かい地中海に面したマンザラ湖などに集まり、それを捕獲するそうです。(年間約2百トンの漁獲だそうです)どうしても、日本の需要は夏に集中してしまうのでこの辺がネックになっていたのでしょうか・・・
水深が平均80センチというのも驚きだった。
どのような漁法で捕獲していたのかも知りたいところですが時間があればぜひ行って見たいですね(治安が良くなれば)

「ナイル産、浜名湖産、ミシシッピ―産の活鰻の食べ比べ」の中で「ナイルの鰻はサラダオイルの味」「日本の鰻は天婦羅の味」と例えているのが面白い。これは魚種の違いと言うより天然と養鰻の違いのように私は感じました。(今度からこの表現は使わせていただこう)
また、11人の試食者の投票結果がナイル産5人、浜名湖産5人、ミシシッピ―産1人というのも面白い結果だ。 やはり人それぞれという事でしょうかこの浜名湖産がどのような素性のウナギなのか大変気になります。


 カイロ大学出身の鰻裂き職人
彼が7人の中で最優秀だそうです


            マンザラ湖

「砂漠の国で鰻が捕れる、しかも旨いと言う。」と始まりますが、著作権は文藝春秋が持っていますので紹介はできませんし、もともとSさんは100ページに及ぶ原稿を出版社の要望で4ページにまとめてありますのでどの部分も大切でなかなか抜粋するという事はできませんが、内容的には、「ナイル鰻の極簡単な説明」「ナイル産、浜名湖産、ミシシッピ―産の活鰻の食べ比べ」「プロジェクトの失敗原因」などです。
「ナイル鰻の極簡単な説明」の中で特に興味を持ったのは、4年もかけてナイル川河口に到着したシラスウナギが0.4グラムで日本のシラスウナギが0,15〜0,2グラムというのと比べると2倍以上あるのかというのにまず驚きました
また 同じアンギラ種でも他のヨーロッパ産とは違い柔らかく脂の乗っているというのはすごくうなずけましたが。

このSさんは、10数年も前のことですが、ある在エジプト日本人と知り合う機会があり、誘われるままナイル鰻の輸入元の権利を得て、今までだれもした事のないナイルの鰻を輸出するという壮大なロマンを持っていたそうです。
そこには金のためではなく、産業の少ないエジプトに外貨をもたらす為、エジプトの為、という意識で集まった仲間の話を聞いて、ぜひ紹介させて戴きたいとお願いしてこのページへの掲載の許可をもらいました。
Sさんの100ページにもわたる元本にも大変興味が引かれますが、今回は93年 文藝春秋のベストエッセー集 「中くらいの妻」に納められている「ナイルの鰻」をほんの少しだけ紹介させていただきます。


93年 文藝春秋のベストエッセー集
       「中くらいの妻」


             ナイルの鰻


      ピラミッドの見えるウナギ工場

2003/9 制作